教科「情報」の英語表記について

高等学校、教科「情報」は一部では「Word / Excelの使い方」と揶揄(?)されていますが、「何について学習する教科なのか」という事がよく分からないまま、新課程に移行しようとしています。新課程の学習指導要領(PDF)が出ましたが、課題と経緯は示されていますが、学習内容と有機的に結びついてはいません。
そこで標題の話になるのですが、情報科を英語表記にするとどのようになるのか。「国語科」ならば"Japanese"です。「理科」は"Science"です。情報学の英語表記である"Informatics"を素直に当てはめればよいのか*1、某社の教科書のように"ICT Education"とすべきか、日本情報科教育学会にならって"Information Studies"とすべきか。*2
少なくとも"ICT Education"は却下すべきだというのが私の考えです。冒頭で述べたように情報科は「Word / Excelの使い方」を教える教科だという、実に的を射た「誤解」でしょう*3。"Informatics"にするか"Information Studies"にするかですが、「教科は学問の(初歩的な)内容を取り扱うものである」という考え方に立脚すれば前者にを支持することになるでしょうし、「教科と学問は(多少)異なるもので、生徒が生きていくのに必要なことを学ぶ課程である」という立場ならば後者を支持することになるでしょう。後者の立場は前者の立場を内包しうるので、"Information Studies"とした方が無難でしょう。このように命名(?)することで情報科は訳の分からない教科であることが浮き彫りになることでしょうけれど。

*1:"Information science"という語を見聞したことがありますが、あまり聞き慣れないです。

*2:英語の先生が英作文指導の際に「『情報』って何て言いますか」と生徒に質問されたらどう答えるのでしょう。"Computer Science"とか(笑)

*3:ICTという語を広義に解釈すれば、あらゆる「情報に関する工夫」をICTと呼べなくもないのですが、通常ICTという場合はコンピュータ技術を前提にしていると私は捉えています