2010ガバナンス論/演習始まる

またガバナンス論の季節がやってきました。元履修生のvanyaです。
このブログ、なぜかまだ閉鎖していません(笑)


「ガバナンス」とはどういう意味か、というストレートな課題が出されているようです。
素直に第一回の講義の復習をせよということなのでしょうか。
一方で1年次の授業で「ガバナンス」というキーワードを見聞きしたというエントリーも見受けられます。例えば八神蒼真さんは「社会システム論?」で学んだと書いていますし、アズさんは「ガバナンスって1年生のときからよく耳にする言葉」と書いています。「きっと情報学部ではかなーり重要なキーワードなんだと思う」のだそうですが、確かに重要なキーワードだと思います。キーワードに溺れずに頑張って欲しいなあと。
「意志決定機関」という言葉がありますが、従来型の意志決定機関による統治(Government)ではなく、関係者が非暴力的な手段で有機的に*1参加する統治がGovernanceなのでしょう。もっとも、私はGovernmentはGovernanceの成果物のひとつであると考えていますが。NPMみたいなものも「ガバナンス」と呼ばれていますが*2、従来型の統治(Government)の行き詰まりを解消するような新しい統治(Governance)を象徴するキーワードとして「ガバナンス」という語が都合良く使われてきた気がしないでもないのですが……。

*1:有機的に……例えば情報が偏っていたり、(ほぼ)一方的なコミュニケーションだったりしないで参加者が意志決定のプロセスに参加することを指します

*2:NPM……岩崎正洋ほか『政策とガバナンス』(東海大学出版会、2003)ではガバナンス論の2つあるアプローチの方法のうち、「国家中心アプローチ」に該当すると位置づけている。一方で市民パワーによって水平的に統治する方を「社会中心アプローチ」と位置づけている。