地域共同体と学校博物館――博物館と共に開く市民性――

ふと学校図書館はあるのに学校博物館というのはないなぁと思いまして、Googleで検索してみましたら、それっぽいのがありましたね。


法律では定められていないですが、学校の空き教室を利用して「まちかど博物館」のように地域の博物館が学校という施設を利用して博物館を運営するものらしいです。
茨城県「茨城自然博物館進化基本計画(PDF)」には近隣の学校の余裕教室を活用し,博物館の情報や周辺の自然環境の調査結果等を展示する「スクールミュージアム」の整備を進めますと記されています。
基本的に学校図書館は学校が設置・運営するものですが、ここでいう学校博物館は地域の博物館と学校とが連携して運営するものです。同基本計画では学校教育との連携について以下のようにも書かれています。

  • インターネットやテレビ電話などの通信手段の普及に伴い,それらを媒体に活用し,博物館と学校を結ぶ双方向の新たな学習支援システムの構築を図ります。
  • 中・高校生の博物館活動を支援するため,ジュニア学芸員制度の充実を図ります。

浜松市の自然・科学系の博物館である浜松科学館でも「サイエンスボランティア」という制度があり、殆ど全て中学生の手によって講座のロボットが制作されたこともあります。
学校博物館やITの後押しで、学校とは別個にある教育機関*1が児童・生徒にとってアクセス可能(容易)な”距離”になったという点は評価できると思います。学校とは異なった”おとな社会”との接点ができることで生徒達は学校に閉じこもるだけでは得られないより深い学びができるのではないでしょうか。


少し論点から逸れますが、上記基本計画では「地域との連携」として以下の実施計画が記述されています。

  • 博物館と博物館友の会との連携を一層推し進め,博物館の教育普及事業等への友の会ボランティア部の積極的な参画を図ります。
  • 博物館友の会の組織を一層強固なものにするため,法人化を視野に入れた組織の強化を促進します。
  • 地域パートナーシップの確立によって,市民参画を中心とする博物館活動を充実させていきます。

浜松市にある浜松市博物館(歴史民俗系)においても、「蜆の会」という市民団体があり、勉強会*2から発展して、次第に博物館全般にかかわるボランティア団体のような組織になり今に至っています。
学校の外との接点を持つことで、もしかしたら学校以外の社会に関心を持ち、生徒達の市民性*3が育まれる可能性が期待できるかも知れないです。
少なくとも、学習の役に立てることは可能でしょう。博物館教育の充実が不可欠ですが。

*1:博物館は社会教育施設の1つ

*2:自信ないけど確か、古文書の勉強会だったと思う

*3:ここでは主体性や地域社会に対する愛着など