価値相対主義の行き着くところ

何となくもやもやしている事があるので、久しぶりにエントリーを投稿してみます。 「人それぞれに価値観は違う」という哲学を掲げて、「あなたの行動や発言は間違っていますよ」という他人からの指摘やアドバイスを拒絶しようとする人をよく見かけます。「価…

『風立ちぬ』と「美しい」ということ

大人は利害で、青年は善悪で、少年は美醜で説き伏せよ。 「美しいもの」に対して心惹かれる気持ちは少年の心からくるものだという意識があります。「美しい」というとどうもお高くとまっているようなので「カッチョイイ」とか「可愛い」とか、そういった言葉…

市民プールに思う

今日、市民プールに行ってきました。屋内プールと屋外プールがあって、主に屋内で泳いできました。屋内プールのレーンには「ウォーキングコース(主に歩く人)」「ゆったりコース(泳いだり立ち止まったりする人)」「スイスイコース(泳ぐ人)」という区分…

2010ガバナンス論/演習始まる

またガバナンス論の季節がやってきました。元履修生のvanyaです。 このブログ、なぜかまだ閉鎖していません(笑) 「ガバナンス」とはどういう意味か、というストレートな課題が出されているようです。 素直に第一回の講義の復習をせよということなのでしょ…

教科「情報」の英語表記について

高等学校、教科「情報」は一部では「Word / Excelの使い方」と揶揄(?)されていますが、「何について学習する教科なのか」という事がよく分からないまま、新課程に移行しようとしています。新課程の学習指導要領(PDF)が出ましたが、課題と経緯は示されて…

情報学のゆくえ(1)

情報学部というところにいて、自分が学んできたことが他のどの学問でもないことに今更ながら気付かされます。かと言ってそれを情報学と言い切れる自信もありません。 「情報学会」という学会はありません。情報処理学会や社会情報学会ならばありますが。純粋…

非ITから「情報」を語る

恭子さんが便乗してくださったので、更に便乗してみましょう。 私の主張は*1Webの中で閉じていたとしても(「長崎」のキーワードと修学旅行を楽しみたいという本人たちの意志以外は)情報検索/情報収集は可能である。しかし、Yahoo!などの検索エンジンが使…

目的に合わせて適切に情報検索することができる

ここに書くべき事でもない気がしますが、最近更新していないので。 「情報通信ネットワークやデータベースなどの活用を通して,必要とする情報を効率的に検索・収集する方法を習得させる」(情報A)〔参照〕 検索エンジンを使って「カテゴリ検索」「キーワー…

合意形成についての私的見解(本日の発表・質疑応答)

「合意形成って何ですか?」という質問をid:tetsuyasatoが受けて、後の方で話題になりましたが、「合意形成」って説明すしようとすると厄介ですね。「選挙は合意形成なのか」みたいな話で盛り上がっていました。 合意形成を考える 議論の便宜のため「ガバナ…

グッド・ガバナンスかどうかをどうやって評価しますか――当事者意識の形成という観点から――

先週のガバナンス論は「合意」だったそうです。 授業形式について一部で不満の声を聞きますが、直接言ったらいいと思います。 >ガバナンスにおける合意プロセスで最大の課題は,参加している人たちがどれだけ当事者意識を持っているかということでしょう 赤…

ブログ演習でのアメブロ率が高いことについて

嫌な予感がします。 ある論題に対して、他の受講者のブログを巡回して意見の分布を調べたいなぁと思ったとき、全てのブログがチェックできる状態である必要があります(特にとまとめエントリを作成するとき)。 私個人の経験則ですが、アメブロは「サーバの…

住民感情としてのプライバシー――ストリートビューにみる公と私

All clear for Google Street View ―― BBC NEWS 情報委員会(Information Commissioner)がGoogle Street Viewにある種のお墨付きを与えたようです。 BBCが引用しているDavid Evans氏の発言はこちら(PDF)です。 Information Commissionerなんて組織がある…

今年も始まったみたいですね(2009)

毎年、ポータルページのURL変えられると困りますね(笑) こちらです。 http://gov.oops.jp/ このブログも細々と書き続けて、よく分からないけれど、はてな市民(銀)として認められ、グリーン・スターとかいうヴァーチャルなアイテムを頂きました。hatena s…

春休みだからって

緊急車両も通れませんね(どうせバリケードがあるのだけれど)。 自転車は規制しておいて車は無法地帯ですか*1。 事故のない道路、犯罪のない国は存在しない。と。 以上、迷走するガバナンスの現場からお届けしました。 *1:尤も、和地山公園にはいつものよう…

教科「情報」学習指導要領改訂について

新しい学習指導要領「生きる力」 久しぶりのエントリが旬じゃないvanyaです。 意見というより旧学習指導要領との比較のまとめみたいなものです。 パブリック・コメントに間に合いませんでしたが、折角纏めたので後悔公開します。 概要 高等学校(中等教育学…

消尽する譲渡権にはメセナで補償?

ブックオフが払う1億円について――Copy & Copyright Diary あくまでも、著作権料ではなく、文化振興的な意味合いの金額なのです、という事ですが。 YouTubeやニコニコ動画がJASRACと契約したという話*1もそうなんですが(ITメディア)、コンテンツ産業の枠組…

子どもの自己決定権が尊重されるには大人も子どもも努力が肝要かも

今回は静大あかつき寮での生活から「あ〜あ、自分って子どもだなぁ」と感じた経験談を紹介したいと思います。現状批判というより、自己批判がメインです。 私の住むあかつき寮は自治寮です。つまり管理人がいない、自己決定権が認められた自治組織を持つ寮な…

情報学部でガバナンス論をやる意味

情報学部でガバナンス論をやる意味について考えることがあったので今回はそういう話です。普通、情報っていうとパソコンとかネットとかITのイメージがあるでしょう? ただIDプログラム*1ではそれ程ITを強調しないですし、元学部長が「石ころも(人によっては…

公貸権制度――市民が育てていくクリエータ

公貸権の意義 演習ではかなり無理のある提題をして、受講者の皆さんを苦しめてしまったかも知れません。ですが、ガバナンス論として「蓄積され、利用されるコンテンツ」から見た情報社会の問題を公共性の切り口で提示することができたのではないかと思います…

メタデータの標準化

色々考えてみたのですが、いまいち考えがまとまらないですね。ただ検索エンジンを利用するときに「市民」なのか「消費者」なのかって考えさせられましたね。あるいは「ネット参加者」なのか「ネット利用者」なのかということについて。「インターネットは道…

地域共同体と学校博物館――博物館と共に開く市民性――

ふと学校図書館はあるのに学校博物館というのはないなぁと思いまして、Googleで検索してみましたら、それっぽいのがありましたね。 法律では定められていないですが、学校の空き教室を利用して「まちかど博物館」のように地域の博物館が学校という施設を利用…

活動の可視化

自治的な活動(運動)に多くの関係者を巻き込む場合、活動が可視化された方がベターだと考えます。可視化というのは、活動している人の実態が分かるようにすることです。主義主張をただ並べるのではなく、活動をしている側の充実感や関係者を巻き込みたいと…

ボランタリーな活動と持続可能性――演習「J-文庫プロジェクト」――

今回の演習は「J-文庫」が題材でした(吉田の物置に資料があるはず)。 J-文庫のように学生による自発的な活動は制度化されておらず、「やりがい」や「情熱」がインセンティブ*1となって維持されています。ですから、図書館のように維持・運営されている状態…

「私の考える成人の線引き」まとめ(参政権について)

ガバナンス論演習では「私の考える成人の線引き」について考えろという課題が出されてから、そろそろ1ヶ月が経とうとしています。 ざっと見た感じでは、18歳or20歳という意見が多かったです。課題設定の文脈の所為もあるんでしょうね。 仕事としては雑です…

心のパフォーマンスも身体から

別に唯物論者ではないですが、「身体」は「心」の在り方を大きく規定しているというのが私の考えです。「病は気から」と言って逆パターンもあり得ますが。身体を構成している物質が健全な調和を保つことで、安定を産みます。これが心の安定に繋がるのです。 …

聖火リレー問題――平和についてのSecurity――

私はガバナンスの目指す最も重要な価値の1つが「平和」だと考えています。 オリンピックは平和の象徴と言われていますが、これはオリンピック憲章(PDF)にも謳われています。 The goal of Olympism is to place sport at the service of the harmonious deve…

【比較講義録】ガバナンスの定義

本日、吉田先生の講義で”2つ目の”ガバナンスの定義が出てきましたので、比較してみることにします。 初回のガバナンス論講義*1は、 Governanceの辞書的な意味と定義 国連によるグッド・ガバナンス(8つの基本的性格) ガバナンスのメリット・デメリット の…

ガバナンスとかスキーマとか

今日、心理学系の研究室の友人が、「ガバナンスって定義がはっきりしないよね。心理学で言うとスキーマっていう概念も同じような感じ」と言っていました。 けれど、本日の情報モラルデザイン論演習(3年前期)でも「ガバナンス」という言葉を使っていた人が…

子どもには酒を飲ませないぞ!!

折角なので、トラバしてみます。 ガバナンス論演習(2008)ポータルサイト「成人になったら酒が飲めるぞ!!」コンパの席でも20歳になるまでアルコールを拒み続けたvanyaです。 所謂”ノミュニケーション”は大人の文化であって、コンパの席で「お前も飲め」と言わ…

異文化「理解」という言葉について

大学4年になってやっと異文化理解*1に関心が持てたのですが。 「理解」という言葉を巡って、問題意識を持ったので記述しておきます。 簡単に言うと、原理主義を理解できるかという事なのです。 例えば自分自身が「納豆は醤油で食べる」という文化を持ってい…