単位未履修問題

受験生の皆さん、動揺せずに自分のペースを守り抜けば勝ちですよ。これはむしろチャンスです。


高等学校で必修とされている世界史が、受験に不必要な科目であるが故に、他の科目を履修させていた学校がありますという報道がありました。すると、そんな学校がボロボロと見つかってしまいました。
さて、何が問題かというと。「ルールを守りなさい」と言うべき先生たちがルールを守っていなかったことです。「困るのは生徒だ」という議論があって、不本意に履修漏れしちゃった生徒をどうやって救済しようか、という議論が現在なされています。まじめに履修してきた生徒に「あんな簡単に許しちゃっていいの?」と思われたら最悪です。「ルールなんて意味がない」ってことを身をもって学習した卒業生たちが立派に巣立ってゆくのですから。
校長先生が自殺したらしいです。最近、生徒による自殺もよく耳にしますが、今回は教師です。単位未履修問題との因果関係ははっきりしていません。しかし何だか気になります。
憶測かも知れませが、教師に強迫観念があったのではないかと思ってしまいます。「我が県では他県よりも多くの大学合格率をはじき出すぞ」と。教育改革のあおりで、各学校は学校自己評価なるものを行わなければならないそうです。数値目標を設定して、それにどれだけ達成したかを評価するのです。果たして制度を整えることで教育は良くなるのでしょうか。
「制服をちゃんと着なさい」と言っても、生徒は言うことを聞かないでしょう。生徒は「そんな制服はダサいよ」とは言えないのです。「校則を変えてください」とは言えないのです。言ったとしても「署名を集めろ」だとか、面倒な手続があって、結局校則は変わらないでしょう。先生は生徒の主体性ばかり強調せずに、生徒の内なる声を聞き取ってあげるべきだと思います。ルール違反を黙認するくらいなら。
さて 単位未履修という〈校則違反〉は、ルールの限界を指し示すシグナルなのではないでしょうか。どうしても受験勉強をさせなければならない圧力によって規範にヒビが入ったような気がします。
今回の件は〈発覚〉したのではなく、黙認していたことを〈騒ぎ立て〉たように感じます。誰も何も言わなければ受験生たちは今日も穏便に英文でも読んでいたでしょうに。しかし不正はいつか曝かれるのですね。