村上ファンドインサイダー疑惑

6月4日、午後5:30〜6:24、SBSで放送した「報道特集」(キャスター:田丸美寿々)の村上ファンドインサイダー取引疑惑に関する報道についてエントリーを書きます。
私の判断は「緩やかに、婉曲的に断罪している」です。
はじめ、灘高校生徒へのインタビューでは「あんなふうに、なりたい」という肯定的な意見、「(村上氏が)はみでる可能性も無きにしもあらず」という否定的な意見、双方が取り入れられ、中立的に見えました。
しかし村上氏のこれまでの主な動きや過去に行ったインタビュー映像が映し出された後、堀江氏による村上氏から誘いがあったという旨の発表映像が放映されました(インサイダー取引の誘いがあったという旨ではありません)。そして表面は推定無罪で報道しつつも、間接的には星野氏による、感情に基づく批判を”周囲の反発”の例として引用する形で断罪をしています。村上氏が友人への電話の中で洩らしたという「孤独だ。相談相手がいなくなった」という発言を紹介し、2000年や2002年のインタビューと対比させる形で〈弱い村上氏〉を印象づけようとしています。
〈弱い村上氏〉とはパラディグマティックな関係にある〈強い村上氏〉は現在形として語られません。つまり〈村上氏の衰退物語〉としてナラティブを構成している節があるのです。「報道特集」は最後に、「彼の目指したものは何だったのか」と締めくくっています。