「社会システム論Ⅰ」について

ID必修である「社会システム論Ⅰ」について再考察してみようかと思います。

体験的授業の実施が盛んに議論される中、なぜ「社会システム論Ⅰ」なのかと申しますと、ID必修科目の中で最も体験・演習から遠く離れていると思えるからなのです。実際に「寝てしまう」だとか「内職に使ってる」だとか否定的な話を何度か聞いたことがあります。”力を入れている割には授業評価は低い”とは担当の1人である藤井先生のコメント。しかし何とか体験的要素を盛り込めば「社会システム論Ⅰ」も十分に使える科目なのではないかと思ってみたりするわけです。

シラバスによれば”社会の全体構造や組織構造などを捉える”ために”(1)これまでの社会科学の基礎的知見を総括し、(2)社会に対するシステム論的把握の基礎を学習する”ことを目的としているそうです。要するに基礎なんですね。ISで言ったら基礎数学です。

今日のことです。「社会システム論Ⅰに演習的なパートを付け加えるか、或いは体験的な要素を取り入れるとしたらどういった講義になると思いますか?」と藤井先生に突撃インタビューを試みました。「なると思いますか?」というより「しますか?」なんですけどね・・・。そうしたら”実際に社会で起こっている事象を、例えば浜松まつりなんかをシステム論的に分析するか、或いは文献を購読するかだね”とコメントを下さりました。またコミュニティーデザインや社会システムデザインと関係が深く、それにアプローチするような形での演習も考えられるとも仰っていました。

(余談ですが「社会システム論Ⅰ」の中で「19世紀のヨーロッパ社会の変動を学んでもそれが情報学とどういった関係を持つのか分かりにくい」と指摘したところ、”地域社会の崩壊など、近代社会のシステムの原型となっている”のでこれからの社会分析に必要な基本的知識であるとも仰っていました。)

本物の社会事象を扱う社会分析は、今現在、2年前期では私たちは経験していません。また本の購読も(幾つかの研究室では普通にやっているみたいですが)本格的なものは経験していません。「社会システム論Ⅰ」の再考を通して例の〈体験的授業〉の核心に近づいていけたらなぁ・・・というvanyaの提案でした。皆さん、いかがでしょう?