1年次に開講できそうな科目は?(CS編)

IS飛ばしてCSです(笑)。
結論から書けば、現在のCS科目で1年次に開けそうな科目はありません。強いて挙げるなら科学科に限定して「離散数学」を受講可能にするかどうかといったところでしょうか(「基礎数学Ⅰ」の発展科目)。
CSプログラムの中核は3年次の実験群であることは言うまでもありません。そのためにはコンピュータ設計の知識、基礎的なプログラミング・コンパイリング知識、これらを結ぶネットワークの知識が必要です(西垣先生の”ビッグトライアングル”)。
プログラミングを例に挙げれば「A&DⅡ」や「機械語と計算機械」、「プログラミング方法論」が2年後期に待っているのです(文系は気絶するかも)。「A&DⅡ」を理解するには「A&DⅠ」が必要なわけで、「A&DⅠ」を理解するには「プログラミング」が必要なんです。そして「プログラミング」以前に「コンピュータシステム演習」が必要になってくる・・・と、結局現在のCS科目を1年次に持ってくることは不可能なのではないでしょうか。
仮に「応用数学」(複素数や三角比、フーリエ級数―音声信号処理とかに使う計算の考え方―を学ぶ)「離散数学」(コンパイラとかの言語処理に必要なオートマトンの前提知識でありデータベース等とも関連が深い)等を1年次に持ってきたとしても、1年次に身につけておくべき「プログラミング」等が疎かになってしまうことも考えられます。確かに「離散数学」は「知識システム論」等を学ぶ上では有用なのですが・・・。とは言っても、数学系科目を1年次にもってくるという考え方を完全に否定できないのがID生である私の知識の浅さなのでしょう(思慮の浅さか?)。
実際、CSプログラムの面白さを知る上での判断材料は実体験を伴う形では「プログラミング」くらいしかない訳ですが、「情報学概論Ⅰ」(私的には「概論Ⅱ」はイマイチでした)で、結構主要な研究成果が紹介されていたのではないかと思います。もしここで提案することがあるとすれば、例えばBluetoothでの通信を体験してみるとか、実際にエージェントを使ってみるといったところでしょうか。しかしこれは時間と手間の掛かる体験授業であって、「情報学概論Ⅰ」の補足に過ぎませんから、費用対効果の面で見るとあまり良い〈提案〉ではないですね。
何も提案できないのは、単にCSプログラムに関する知識が足りないせいなのでしょうか。もしそう思う方がいらっしゃれば、遠慮なくコメント下さい。



参考ページ/文献
Wikipedia(url:http://ja.wikipedia.org/wiki/)
渋谷道雄『マンガでわかるフーリエ解析』(オーム社)
『READ ME』『SYLLABUS』(静岡大学情報学部)