この問題の争点は?

静岡市図書館の指定管理者制度導入をめぐる問題について。


導入すべき

  • 今までの市が運営する図書館は本来の役割を果たせていない

導入すべきでない

  • 今まで築き上げてきた図書館と市民との繋がりがなくなる


敢えて争点を絞ります。以下は「なぜ争点を絞るか」です
賛成派の立場で言う”サービス向上”は

  1. 市民の求める図書館資料(これは本だけでなく視聴覚資料も含みます)に対応できる
  2. 開館時間が延びる

反対派の立場で言う”サービス低下”は

  1. 図書館が単なる貸本屋になってしまう
  2. 派遣・パート社員の増加に伴う職員のモチベーションの低下

それぞれ1の項目は明らかに食い違いですね。市民がどちらを支持するかは市民の意識の違いによる問題になると思います。
開館時間延長についてはどうでしょう? 確かに夜遅くまでやっていると助かりますが、以前に理由を挙げたとおり、これは主要な論点ではないと考えます。
反対派のモチベーションの低下に関しても少しおかしな点があります。今までの公立図書館でどこまでモチベーションの高い運営がなされていたのか、定かではありません。静岡市民ではないので実感として図書館員の質は分かりませんし。派遣・パートという言い方をするとローテーションで回ってきた市の職員よりも短期間なイメージはありますが(言葉の問題?)。ちなみに司書がモノになるには最低でも3年の経験が必要だと言われています。館長ともなると更に・・・。
賛成派の意見に、民間ならではの新しい業務形態が可能になるっていうのがあります。これは具体性が必要な問題です。市は具体的なことを言っていません。実はこの演習課題で議論すべき重要な問題なのですが、「現在の図書館の枠組みでできること、できないこと」「図書館と市民の繋がりの問題」をはっきりさせておかないと前に進まないと思うので、一旦保留にします。


次回くらいからは「現在の図書館の枠組みでできること、できないこと」に関連して、丁度おつきみさんのエントリーに出てきているので著者への著作権の補償の話、〈公貸権〉について調べてみようかと思います。