フォーラム「地域ブログがつなぐ公共と共同」速報

どなたか行って,リポートしてください。と言われたのでリポートします。


ここにあるように


■開催日時 2006年6月24日(土) 15:00〜17:30
■場所   浜松まちづくりセンター(浜松市浜松市中央一丁目13番3号)2階
■目的  1.ブログによって生まれているコミュニティを新しい公共と共同という視点から考えてみる
2.地域のブログコミュニティ「はまぞう」の現状と今後について可能性と課題を考える
■内容  
  1 「コミュニティウェアとしてのモバイルメディアの可能性」河井孝仁(東海大学文学部広報メディア学科助教授)       
  2 会場インタビュー:はまぞう利用者等 
  3 パネルディスカッション  「エンパワーメントする仕掛けとしての地域ブログポータル」
モデレーター:河井孝仁 
パネリスト:鈴木めぐみ(浜松市市議会議員)中野眞(中小企業診断士静岡大学工学部大学
院事業開発マネジメント専攻客員教授、和田喜充(ITコーディネーター) 
  4 会場参加者とのコミュニケーション、質疑応答
  5 まとめ:河井孝仁
こんな感じでフォーラムが進みました(実際に即して上記URLの内容を多少変更しています)。多くが顔見知りという様子でした。またパネリストを含め多くがHamaZoのユーザでした。


1では河井孝仁さんが浜松におけるHamaZo、富山におけるトヤマドットコム、尾道における尾道どこでも博物館を挙げ、携帯電話を活用した地域ブログポータルの活性について講演がありました。後のパネルディスカッションにも出てくるのですが、HamaZoのトップページの写真(フォトラバ)による視覚的効果がブログコミュニティーが発展する1つの理由であり、「携帯で写真を撮り、携帯でブログにUPする」循環がコミュニティーを流動的な意味で活発にするのではないかという話が主題で、その他「管理運営者が見えやすい・見えにくい(HamaZoは後者に属する)」の違いなどについても話がありました。これがパネルディスカッションの切っ掛けとして用意されました。
2と3は同時進行です。基本的にHamaZoについての話題でした。参加者の多くは中野さんたちがやっている〈ブログ村〉(私は地域オフ会とブログコミュニティー有機的に結びついたものだと認識しているのですが)で面識があるようでした。まとまった表現で全体をうまくまとめられないので、議論の断片を以下のように紹介したいと思います。
ブログの利用法
ニュースよりも早いニュースを。東京で起きているニュースと浜松で起きているニュースでは価値が違う。部屋にこもって仕事をしていたとき「夕日がきれいだ」とブログで教えてくれると、外に出て夕日を見る。ニュースになる前にニュースになるからタイムリーだ。
ブログが世論形成の場になるのではないか
ブログを立ち上げてもコメントが返ってこないのが萎える。HamaZoにしてからコメントが返ってくるようなった。誰も反応を示さないようなマジメなエントリーにもコメントが付くので「みんなちゃんとしてるんだな、レベルが高いな」と思った。ちょっとまずいエントリーを書き込むと携帯電話が鳴って、「これまずいんじゃないの?」と言われる。そんなコミュニティーによる監視機能が付いているのが良い。〈ブログ村〉での〈顔の見える関係〉。
強い紐帯ができた
ブログ村〉コミュニティーに周りの人が入って来にくい感じはないか。「関係をどう開くか」が重要。仮にHamaZoユーザ1000人が全員関係良好であったとしても浜松の人口(他のブロガー、ブログをやらない人)に比べて圧倒的に少ない。地域作りとして役割を果たせている部分とそうでない部分がある。
旧着良品が見つかりにくい
HamaZoは流動的で新着情報が手に入りやすいが、裏を返せば古いけど良い情報が見つかりにくい。このことを鑑みてオンライン・オフライン双方で新しい受け皿が必要。旧来ネットの情報は蓄積されるものとして考えられてきたが実際はフローするものとして使われている。技術的になんとかなる。
地域ブログと地域経済
(全国チェーンではなく)「地域のお店」は入りにくい雰囲気がある。でもそのお店がブログを始めると客足が増える。また広報の面で、マスコミもブログを情報源として取材し、地域情報を流す。ブログで消費者が参加することを期待する声も。経済効果と経済効果だけじゃない何か(+α)を期待。
なぜブログの情報を信頼するのか
地域性:地域情報は、例え嘘の情報を流してもすぐにばれてしまう。確かめられてしまう。
信頼の連鎖:「この人は○○さんと親しいから信頼できるぞ」と思うから信頼ができる。
顔の見える関係:〈ブログ村〉を中心に、顔の見える関係が築かれている。
シーポイント社の見解:浜松は特異な地域。削除依頼件数が0件。コミュニティーの中で情報浄化されている。
その他今後の課題など
市民サービス的機能が勝手にリーダーもなく税金も使わず起こっている(広報・議論・助け合い)。ネット全般の問題として情報リテラシーのこと。HamaZoはあくまでツール、のめり込んではいけない。信頼するかどうかはブログをどう捉えるかによる。ネットワーク・地域の関係手段を求めてブログをやっていない人は周囲に影響(嘘情報とかで)を与えないのではないか。HamaZoにトラブルが起これば信頼を大きく失う恐れもある。強い紐帯関係は心地よいがクローズだ。しかし全員がオープンになる必要はない。コミュニティーの中で外と繋げる人が必要。そう言う意識を持った人が自発的に現れる。これが新しい信頼の生み方でもある。浜松の現状は、リアルとネットを分断して考えない人(ネットはリアルの延長にある)が新しい使い方でブログを始めた結果ではないか。堅いものではなく自分が感じたことを手を挙げて述べる。浜松の特殊・特異が最先端になっているのかもしれない。問題点もあるが、面白い方向に向かっている。


…と。殆どメモに近いですが。コミュニティーを実際に動かすのはリアルな自分たちですから、顔の見える関係が基盤にあって、それをサポートまたは知らなかった人どうしを繋げる役割として地域ブログポータルが機能するという話でした。
フォーラムの中で「自分のブログ」を先にチェックするか「HamaZoのトップページ」を先にチェックするかという面白い質問がありました。前者の意見としては「トップページを知らなかった」「自分のブログにコメントした人の所にジャンプするなどといった方法で繋がっている」というもの、後者の意見としては「ニュースとして活用している」「コミュニケーションが目的。新しく参加した人が気になる。出会いが広がる」というものがありました。
課題としてはコミュニティーが大きくなってくると全員の動向をチェックするには不可能になり、閉じたコミュニティーになる恐れがあります。HamaZo内で、又他のブログ、ブログをしない人たちとの関係をどう開くかが課題という話でした。


粗いリポートですみません(良い訳をするとディスカッションをまとめるのは難しいのです)。また今回は特に自分の意見は書きませんでした。


浜松から静岡全域の情報サイト「はまぞう (HamaZo)」ブログポータル!
http://www.hamazo.tv/